[sally]
大地が生み出した色。
アメリカのsally fox 氏が育てたオーガニックコットン

風から季節を感じること
光から時間をよむこと
匂いから記憶を懐かしむこと
足元の小さな花に気がつくこと
素朴な素材の味を美味しいと思うこと

Sallyさんの育てた茶綿を初めて見たときに、綿が持つ色、そのまま、自然そのものの色がとても愛おしく、美しく感じ、素材が本来持つ美しさを見つめ直す、一度そういったことに立ち返って見ようと思いました。

同時に、「贅沢とは何か?」という疑問が立ち上がってきました。
私たちが大切にしたい、豊かさ、贅沢とは、決して華美なものでなく、素朴で、細やかで、きっと、毎日の暮らしの中で繰り返されていること。静かな心で、穏やかな目を向けたときに、ふと実感できる。そういうことなのだとわかりました。サリーさんの茶綿は、そんな事を感じさせてくれるのです。

*畑で作業するsallyさんの様子

私たちが普段当たり前の様に身につける、コットンという植物。一年草で初夏~秋のひと夏で育ち、秋に収穫を迎え、実が弾けると、その綿(ワタ)を私たちに与えてくれます。あまりにも当たり前のことなのに、私たちは日々の忙しさに追われ、ついその事実を忘れてしまいます。

インド、中国、エジプト、アメリカ、世界のコットン産業では、様々な品種の綿が生み出され、高級品種はブランド化されています。しかし「誰が作った綿なのか」ということが明確なものは、めったにありません。この茶綿は紛れもなくサリーさんが、無農薬で手間暇かけて作った物。このことは、労働に、環境に、遺伝子組み換えにと、様々な問題を抱えるコットンの産業の未来に、微かに光る出口のよう。衣服の生産と向きあう私に確かな手応えのある希望を感じさせてくれました。

素材そのものの美しさを、大地から作物が育ち手にする喜びをテキスタイルを通して皆様と共有できればと思います。

*アメリカで収穫された後、日本に輸入され、大阪の紡績工場で糸になる。紡績工場での様子。

Text/Edit : hatsutoki
Sally Fox (born 1959)

アメリカの生物学者サリーフォックス氏は偶然出会った茶色の綿に感銘を受け、長年に渡る研究と品種改良の末”綿”そのものにブラウンの色がついた、茶綿品種「FOX B( ブラウン )」を開発しました。茶綿は、元来存在していたが、機械化された紡績で糸が引けるほどの繊維長を持った品種はなかった。私たちがわざわざ手を加えて染めずとも美しい、自然の色そのものの美を思い出させてくれる素朴でいて大変美しい素材です。

*こと細かに、栽培の様子が記録されているノート(左)アリゾナ州在住のsallyさん本人(右)

sally foxさんのコットンを使用している商品