[shadow]
水面のゆらぎの様な影織テキスタイル

職人の技術にブランドのエッセンスを加えて

不思議な陰影の柄が浮かび上がる[shadow]シリーズは、影織と私達が呼んでいる特殊な技術で織り上げられています。世界でもかなり珍しいこの技術は、西脇の隣町の小さな家族経営の工場で作られています。[shadow]はこの素晴らしい技術に、繊細な糸、色の組み合わせなどを吟味してhatsutokiらしい解釈でデザインしたシリーズです。

*2016年初めて影織が製品になったシーズンのビジュアルより

影織が生まれる場所

西脇市から車で30分、河沿いを上流へ上り、橋を渡り、木漏れ日の美しい少し狭い道を抜けると、急勾配な山間に囲まれた、少し空気が澄んでひんやり感じられる場所に現れる赤い屋根の工場。夏にはホタルが舞い、夜には鹿の群れに道で遭遇する。 兵庫県多可郡多可町八千代で3代続き、家族で切り盛りする小規模な(とは言え播州織では一般的な規模感の)工場。そんな場所で影織は誕生しました。

美しい生地のゆらぎ

風が吹き抜けた湖面、あるいは月明かりに照らされた山の様な、不思議な色の奥行きと連続したパターンが”影”のように浮かび上がります。特殊な装置を使い生み出す、糸のゆらぎによって生み出されるパターンは、吸い込まれるような魅力の素材です。

影織が生まれるまで

小円織物は、3代続く西脇の家族経営の工場。発明家気質の祖父が生み出した、影織の原型となる技術はやがて、二代目の手によってデジタル化制御が出来るようになり、そして三代目とhatsutokiの取り組みによって今までにない、独特の表情を生み出し、私達はそれを「影織」と名付けました。

影織は、特殊な装置でヨコ糸に「ゆらぎ」を与えることで、織物の目の詰まった部分、粗い部分が生まれ、その「粗密の差」で柄を表現します。
「ゆらぎ」を出す技術は元来は甚平などの和服地に使われていた技術がベースになっており、工場の先代の時代に開発されました。アナログの機械では、柄を正確にコントロールできませんでしたが、今ではデジタル制御が可能になり、完璧にコントロールすることが出来ます。実際に現場で、濃淡やピッチを微調整したり、何パターンもの色の組み合わせをその場で試しながら、生地が誕生していきました。はじめのうちは機械の構造がわからずデザインが出来なかったので、何度も何度も現場に通い、構造を頭に入れてからデザインをしていきました。

職人との距離が近いからこそ

糸の色の組み合わせ、濃度、柄のピッチを実際に現場で確認しながら、細かく調整を繰り返し、職人さんと二人三脚で作り上げていきました。新しいチャレンジは工場との距離感が近いからこそ生み出せるのだと、改めて確信しました。

技術の本質を見極め、今の価値に翻訳する。

私達は現場の近くで発想することで、技術の本質を新鮮な目線で捉えなおし、ブランドのエッセンスを加えて産地に新たな価値を生み出したいと考えています。水面のゆらぎや、波のイメージから生まれた影織りのテキスタイルはそれを体現する素材の一つです。
古くからある技術を再発見し、職人と共にアップデートし、hatsutokiのインスピレーションやエッセンスを込める。どこか懐かしく、自然を感じるような、テキスタイルに落とし込まれた影織りは、とてもhatsutokiらしく、夏の定番素材の一つとなったのです。