受け継がれるもの

過去、現在、未来へと、受け継がれるもの。hatsutokiは播州織の歴史や技術、関わってきた人々の思いを受け継ぎ、新しい視点で発展させ、次の世代に受け継いでいくという役割を担っています。特集「受け継がれるもの」は自分たちの商品意外にも、同じ思いで物を作り、次世代につなげている生産者やデザイナー達の作品とともにご紹介します。

[ hatsutoki / grandma シリーズ ]
祖母のクローゼットの記憶から生まれた服

糸を染めてから織り上げる。播州織は「先染」と呼ばれる技法を得意として、かつてシャツ生地の一大産地として栄えました。hatsutokiのgrandmaシリーズでは、コットン、リネン、ウールと多様な素材と3色の色が複雑に混じりあう奥行きのあるテキスタイルです。

祖母のクローゼットにある、どこかクラシカルでいて品のある服。そんな記憶のインスピレーションから生まれた[grandma]シリーズのテキスタイルコレクション。どこか品のある佇まい、それでいて軽やか。毎日の生活や仕事、少し特別な日など多様な生活のシーンに着用いただけるユニセックスウェアに仕立てています。

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[ hatsutoki / 琥珀カシミヤストール]

シャトル織機で織り上げた、宝石のようなストール

今は珍しくなってしまった「シャトル織機」。ヴィンテージとも言える昔ながらの織り機で織り上げました。ガシャンガシャンと機械仕掛けで動き、人の手が掛かる贅沢な機械ですが、ゆっくりと織り上げる分柔らかい風合いになります。
琥珀色に染めた綿の繊細なタテ糸に、複雑な色味のヨコ糸をミックスさせた美しいシャンブレー。樹液が長い年月を掛けて宝石となる、そんなイメージで繊維の宝石と呼ばれるカシミヤの糸をふわりと織り上げました。

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[糸衣]究極のカシミヤニット

国内の紡績会社の中でも最も長い歴史を持つ会社の一つ。130年以上の歴史を持つ東洋紡糸のオリジナルブランドが[ 糸衣 ]です。世界トップレベルの品質のカシミヤを、イタリアを拠点に活動しているデザイナーYUEI PARKさんがデザイン。そして最先端のニット技術とも言える無縫製のニット機で編み上げた極上のニットウェアです。

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[NEU & TIM]真珠のモダンジュエリー

デザイナーの木村夏希沙さんは宝飾店を営んでいた祖父の影響をうけたことや叔母からアコヤ真珠のジュエリーを譲り受けたことなどがきっかけで、2020年に自然との調和、普遍性を追求しスタートした日本産真珠ファインジュエリーブランド。人生の節目に身につけ、受け継いでいきたいパールを、デイリー使いしやすく長年愛用できる品を追求しています。

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[nejicommu] 時間のあり方を見つめ直す時計

クラフト,プロダクト,ジェンダーの境界を超えて、身につけ、過ごした日常の記憶の重なりを感じ続けることのできるものづくりを目指すブランドです。今までの時計ブランドにはなかったファッション性や時計の機能そのものを問うような新しいコンセプトは、スマートフォン、スマートウオッチなど便利で正確な時間を管理するツールとはまた違う時間の意味を感じさせてくれます。

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「受け継がれるもの」モデルインタビュー

人はそれぞれ違う背景を持ちながらも、‶受け継がれるもの”を持っています。地域の伝統、産業、技術、歴史、宝物…そのどれもが関わっていた人の想いも一緒に受け継いでいます。
hatsutokiは播州織の歴史や技術、関わってきた人々の思いを受け継ぎ、新しい視点で発展させ、次の世代に受け継いでいくという役割を担っています。
今モデルをお願いしたお二人にも、それぞれの「受け継いだもの」「受け継いでいくもの」を持ってきていただき、お話をお伺いしました。

関口アナンさん(俳優)

父は写真家、母は女優という家庭に生まれ、ご本人も舞台や映画で活躍する俳優、関口アナンさん。今回お持ちいただいたのは写真家として世界を飛び回るお父さまから受け継いだという「サバイバルナイフ」。使い込まれた革のケースに入った、40年以上前のスイス製のものです。

田)今回お持ちいただいたものは?

関)写真家で世界中を旅していた父が使っていたサバイバルナイフです。僕が小さい頃は家族旅行などにも常に持ち歩いていましたね。当時からかっこいいと思っていたけど、危ないから触らせてくれなかった記憶があって、それを二十歳の時に「これあげる」ってくれて。その時はそれ以上の言葉があったわけじゃないんですけど、今思うと父親自身が世界中でいろんな経験をしたっていうのが今に活きてて、関口家の家訓として「世界を見るのだ!」という志向が強かったから、僕もイギリスに留学したり。そういう思いを託したのかな、と勝手に思っています。色んな文化に触れることは見聞きしただけではわからないし、体験しないと実感できないので、そういう教えは良かったと思っています。

田)留学先のイギリスにも持って行きましたか?

関)僕は実際には全然使ってないんですけど、お守り的な感じで持って行きました。そういえば、父の海外出張のお土産はいつもヤマアラシの針とか、ホッキョクグマの牙とか、原住民の石の斧とかだったな。今は絶対ダメなやつですね(笑)そういうところでこのナイフが重宝していたんじゃないかな。アザラシの肉を食べたんだっていうのも言ってたから、このナイフでさばいてるかもしれないですね。そういう経験の横にいつもこれがあったのだと思います。

田)前の世代の人に受け継いだものって、ただの物としてではなくその人の思いとか、それを持ってたお父さんの記憶とか、アザラシどうやって食べたんだろうっていう想像とか、そういうのも含まれているですね。

関)そうですね、単純な道具っていうよりそういう思い出も…。実は自分で同じメーカーの小さいものを持っていたんですけど、全然こっちの方が思い入れがあって、大切にしています。父親の経験とか背景も込みで、受け継げてるのかはわからないですけど。もうちょっとしたらいろんなところに持って行ってあげたいと思います。もらってから実際全然使ってなかったので、昨日これを実家に取りにいって久しぶりに見たら、モノって使ってないと悪くなるなと感じて。良いものだから、磨いてもっと使ってあげようと思いました。まずはキャンプからですかね。

関口アナン 
Sekiguchi Anam

1988年東京生まれ。俳優。武蔵野美術大学映像学科卒業後、イギリス・ロンドンへの留学を経て、俳優としての活動を開始。テレビドラマ、映画、舞台、CMなどで活躍。主な出演作品に、「いだてん〜東京オリムピック噺~」(19・NHK)、「やすらぎの刻~道」(19・EX)、映画『窓たち』(21)、舞台『「続・まるは食堂」~なにごとの おわしますかは 知らねども~』(21)など。2022年は映画『ドーナツもり』の公開が控える。

ファンさん(喫茶店店主)

東京・四谷で週一回だけの喫茶店を開くファンさん。手廻しの焙煎機でゆっくりと時間をかけて淹れる珈琲を提供しています。一つ一つ大切そうに箱に入れられた「コーヒーカップ」を持ってきて頂きました。そこには「喫茶文化を受け継ぐ」という意味が込められているそうです。所作の美しいファンさんがカップを持つと、お店のカウンター越しに居る様な気分に。

田)カップをお持ちいただいたんですね。

ファ)受け継いでいきたいものの中でも、一番愛着が持てるものと考えた時に、コーヒーカップに辿り着きました。始めは飲む専門で、ただただ喫茶で珈琲を飲んでぼーっと座っている時間が好きでした。カウンター越しにマスターさんと話す時間も好きで、珈琲を淹れている手元を見ている時間も含めて、おいしさって始まっているのだなと思って、自分でも試しながら珈琲を淹れるようになりました。周りの協力もあり、今は働きながら週一で喫茶店を開いています。

田)週一の喫茶店ていいですよね。いずれは本格的に喫茶店をやろうと考えているのですか?

ファ)いつでも来れないから、その日を狙ってくる特別感みたいなのはいいですね。最初は趣味で良かったんですけど、人に淹れる責任感、重み、珈琲を差し出すことの面白さを感じて。珈琲を飲んだあと深く腰を掛けているお客さんを見るのが好きで、一生出来る仕事なんじゃないかなと今は思っています。

田)カップは実際にお店で使われているものですよね?

ファ)はい。お店ではその人に何が合うんだろうな、と考えながら選んでいます。「一見クールにみえても、中はメラメラ燃えてるんじゃないか」とか。(笑)というのも、いくつか行ったことのある喫茶店のマスターさんがそうされていて、自分で何とかできる面白さというのもあって、自分でやるからこそ受け継いでいけるのかなと。

田)最初の珈琲との出会いは?

ファ)北京ではそのころ産地にこだわった浅煎りの、いわゆる「サードウェーブコーヒー」が流行っていました。初めて触れあったのは究極に浅煎りで、珈琲というより紅茶の様なテイストのものでした。こんな珈琲もあるんだな、と興味を持ちました。その後『A Film About Coffee』という映画を見た時、日本の喫茶のレジェンド、[大坊珈琲店]の大坊勝次さんがコーヒーを淹れられるシーンがあるんですね。それを見た時、なんだこの日本の喫茶文化は!とびっくりしたんです。

[大坊珈琲店]は東京・青山にあった伝説的喫茶店。ビルの老朽化で惜しまれつつ2013年に閉店した。

田)日本の喫茶文化を受け継ぎ、今後どのようなお店にしたいですか?

ファ)もちろん皆さんそれぞれの目的をもっていらして頂けたらと思うのですが、気軽な中にもいつもとは違う自分でいようという気持ちになるようなお店です。ちょっと礼拝に行く時のような。ほの暗くて寺みたいな空間で、7~8分かけて私がゆっくり淹れるところを見てもらう時間から、味が始まっている気がするので。心を空っぽにしてもらったり、普段思わないこととか、久々にお母さんに電話してみようかな、とか思ってもらえるようなお店にしたいです。喫茶店てゆっくりしてほしい場所なので、カップの中で冷めていく時間も楽しむような。その空間、匂い、隣のお客さんと急に始まる会話だったり、その”場づくり”が出来るのが私だとしたらぜひ自分の役割として、無くなりつつある日本の純喫茶を受け継いでいきたいです。

Direction : mineO-sha
Phograph :shinobu shimomura
Styling:Maiko Uchino
Hair&make-up:AKI
Model:Anan Sekiguchi , fang
Text & Edit : hatsutoki

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