自然が生み出した染料。
大地と人が共生し生み出した泥染と藍染のシリーズ

"古代天然染色工房 金井工芸"

奄美大島、大島紬の染技術を現代に受け継ぐ金井工芸の手仕事

泥染は、奄美大島に多く自生する”テーチ木”を使った伝統的な染色技法です。”テーチ木”は島の方言で「車輪梅」のこと。春になると梅に似た白い小花を咲かせます。
テーチ木に含まれるタンニン色素が奄美大島の泥田の鉄分に反応し、独特の深い色彩を生み出します。

チップ状にしたテーチ木を大きな釜で丸々二日煮出します。
染料として煮た後の木材は、次に煮出す時の燃料として使うことが出来ます。そして、燃えた後の灰は、同じ工房で行われている藍染の染料を作るのに使われたり、島の陶芸工房へ渡り、釉薬として使われているそうです。自然から生まれたものを無駄なく利用し、土へ帰っていく。理にかなった循環の在り方が、とても健やかで、私たちの理想のものづくりの在り方のように感じます。

テーチ木染め

煮詰めたテーチ木の染液が入った桶で職人さんの手仕事で何度も洗い、染めを繰り返し色を重ねます。染液が染み込むと、ずっしりと重みを増す繊維を扱うのはかなりの重労働。夏は工場の中が40℃を越えるそうです。

桶の中で手作業で色を重ねていくので、服の場合は1,2着ずつ染めていきます。それを全て同じ色味に染め上げるのは、とても難しい作業。hatsutokiの製品も色のばらつきや染めムラはその製品と個性と捉え、そのままお届けします。

泥染め

泥に含まれる鉄分とテーチ木のタンニンが反応して、赤茶色に染った生地がだんだんと黒く変わっていきます。この「テーチ木染め」と「泥染め」を交互に何度も繰り返し、独特な深みのある黒褐色に染め上げていくのです。こうして、泥染めの美しい色は生まれていました。

「島の自然に染めさせてもらう」

金井工芸を担う職人の金井さん言葉がとても印象的でした。島の土の中に多く含まれる鉄とテーチ木の色から偶然に生まれた泥染の技法を未来に繋ぐ。力強く、深みのある色からはそんな意志の断片を感じさせてくれます。

金井工芸さんの泥染めの商品

"藍染め工房 壺草苑"

天然藍灰汁醗酵建藍染

東京の西、青梅の工房・壷草苑が生み出す美しい藍色に出会った時、とても心動かされた事を覚えています。深く、どこか懐かしく、そして自然の力強さを感じさせる色でした。
天然藍灰汁醗酵建は、江戸時代を中心に行われていた方法。化学薬品を一切使わず、自然界からとれる原料のみを用いるため、布やそれを身につける私たちだけでなく、環境にとっても非常に優しい染色方法です。

透き通る様な藍色。果てしない時間と知恵

日本では代々、数種類の藍植物が染色に用いられてきましたが「日本の青」として、その美しさが世界に知られたのがタデ科の「蓼藍(タデアイ)」です。蓼藍の葉を乾燥させ、さらに発酵させた状態のものが、藍染めの原料となる蒅(すくも)。日本では代々、数種類の藍植物が染色に用いられてきましたが「日本の青」として、その美しさが世界に知られたのがタデ科の「蓼藍(タデアイ)」です。蓼藍の葉を乾燥させ、さらに発酵させた状態のものが、藍染めの原料となる蒅(すくも)。
およそ1年の月日をかけて大切に育てられた蒅は、毎年2月に壺草苑に届けられ、染料として使われています。

蒅の入ったかます。1俵約50kg。壺草苑では毎年約50俵ほど仕入れる。

”藍そのものが生きている”

藍の発酵をうながす過程は、気温や湿度によっても毎回違うのだといいます。藍にもそれぞれ個性があり、染料として育っていくための環境づくりを、人間がその都度やっていかなければいけません。藍甕(あいがめ)の中をぐるりとかき混ぜ、色や水面に浮く「華」の状態、混ざる時の音等で判断するのだそう。 天然藍の魅力は、藍そのものが生きているということだと言われます。

藍の深みを出す自然の色彩

職人さんによって一点ずつ手染めされ、染め重ねるほどに赤みを帯び輝きを増す藍の色は、深みがありとても美しい色彩を魅せてくれます。この深みのある青は、化学合成のインディゴにはない不純物が理由のひとつ。天然藍は合成インディゴと異なり単一成分ではなく、不純物を含んだ複合成分が含まれています。そのため天然藍の青には、実は沢山の色彩が入っており、それが色の温かみや奥行きとなって目に映ります。古くから人との関わりを深く持った天然藍の青は、自然の中でこそ生まれた色だったのです。

壺草苑の本藍染め商品